ボストン介護日記

要介護5の父(50代後半)を娘(20代後半)が介護するブログ

車椅子でZOZOマリンスタジアム ~非情な駐車場体験~

(別日)福浦引退試合DAZNで見た高次脳機能障害のボストン、号泣。
福浦選手お疲れ様でした!


ロッテ戦を観にボストンと母と3人でマリンスタジアムに行った。

マリンスタジアムでの観戦は病気になってからは今回が3回目。スマイルシート(車椅子席)を前月初旬に申込み、抽選して当選したので席は確保している(この日の料金は、車椅子の本人1300円、介助者1名1300円)。スタジアムの中にスマイルシート(車椅子席)は8席だけあり、同席出来るのは1人だけなので、2人介助を要する者は、もう1人の介助者は比較的近くのSS席(この日の料金は5800円)を同時購入する流れになっており、協力しながら介助する。ボストンは2人介助が必要なので行く時はいつもSS席を購入している。2人介助の必要が無い場合や、バラバラで観戦でもいい場合はSS席より安い席を購入する選択もある。

ボストンは車椅子に長く座われないので、スマイルシートが当たった時にホテルニューオータニを予約した。自宅から車で1時間ほどかけてホテルに行き、ベッドで身体を休め、スタジアムに行き、試合観戦後は宿泊するという流れ。

以前、ロッテインフォメーションから駐車場はスタジアムに隣接した所にあるのでと隣接駐車場の電話番号を教えてもらった。
そこに電話した際、障害者の駐車場が無くなっても大型車の所に停められるとのことだった。


試合開始50分前にマリンスタジアム駐車場に到着した。一般車が並んでいた。私は障害者手帳を窓から出したが、誘導員に門前払いをされる。差し出した手帳を見もせずに、邪魔だ邪魔だと誘導棒を振りながら「障害者の駐車場も1時間前にとっくにいっぱいだよ!」「もういっぱいなんだからメッセの方に停めて」と言われた。
母が車から降り誘導員に事情を説明する。本人は要介護5、左半身全麻痺で車椅子。スタジアムのスマイルシート(車椅子席)は取っている。それでも、「障害者なんていっぱいいるんだから!障害者ばっかり入れてたら一般の人達が入れないんだよ!」と。こちらも一般の人の邪魔をしようとは思っていない。20分くらい事情を説明し続けたけれど、聞く耳をもってはもらえなかった。高齢の男性誘導員3人に次々と傷つく事を言われ、雰囲気や態度もとても嫌なものだった。状況的にも精神的にも結構追い詰められた。

仕方が無いので、インフォメーションに電話する。
以前ロッテインフォメーションの方は、スマイルシート当選の際、車椅子の人はこちらの隣接駐車場を利用できると教えてくれたが、今回の状況には、「駐車場は千葉県の管轄で、マリン側は県の所有している駐車場の事は管轄外なので何か言う事は出来ない」という回答だった。

もう観戦するのは無理なのかな、と思った。駐車場を門前払いで、今日ボストンに試合を見せてあげられない…。ホテルも取ってスマイルシートも取っていたのに、駐車場にも入れない、試合も見られない。ボストンにロッテの試合を見させてあげたくてみんなで頑張って来たのに、こんなことになるなんて最悪だと思った。目の前の駐車場に停められないと観戦は無理なのだ。

何十分もインフォメーションと話している間、一般の列の方に並ぶことを許されたので並んでいた。駐車場に来てから一連の説明ですでに1時間程経っていた。
最初から一貫して断っていた誘導員たちが突然「障害者の方いますか?」と探し出した。明らかに態度が変わっていたので誰かに何か言われたのかもしれないと思った。

結局その後一般の方に最後から2番目に入ることが出来たので試合観戦は出来た。2回裏からの観戦となった。

一番最初に門前払いをされた際、駐車場の誘導員の言う通りにあの場を去っていたら、今日スタジアムでの観戦は出来なかった。母が事情を説明して誘導員3人に暴言を吐かれた時に諦めていたら。インフォメーションに電話した際、駐車場とインフォメーションは別運営なのでこちらから千葉県駐車場に何か言う事は出来ないという冷たい回答で電話が終わりそうになった時に諦めていたら。

母は説明を続け、担当の人は、出来るか分からないが折り返しますということになり、関係者駐車場から車椅子の乗り降りだけはしてもいいという案をもらった。駐車場は空きが無いのでホテルの駐車場かメッセに停めてという内容。基本2人介助が必要なので敷地外で介助者が長い時間バラバラになるのは難しいことだ。前回の観戦の時は途中で身体が痛くなり、2回表まで観てホテルに退散した。どこかに出かける際はバタバタの状態だが、ボストンに沢山の思い出を作ってあげたい。
脳神経外科の医師も、出かける事は脳にいい刺激を与えるので行っていいですよと言ってくれている。

なぜスマイルシートを取っている重度障害者とその家族に、このような態度・対応・言動になるのか。なぜ1時間以上も事情を説明させるのか。

マリンスタジアムのスマイルシート(車椅子席)は8席。8人は車椅子席を確約していてその日その場所で試合を観戦する車椅子障害者。せめてこの8人分の駐車スペースは確保して欲しい。もし、障害者駐車スペースが早い者勝ちなのだとしたら、私達はもうスタジアムには行くことが出来ない。早くスタジアムに到着しても耐えられる障害者の方たちよりも先に駐車場に行く事は出来ない。
メッセの駐車場に行けと言われても、そんなに遠くからボストンのような重度の障害を持っている人を連れて行くことは出来ない。そういう身体ではない。神経からくる身体の痛みや通常の痛みがあり、車椅子に長く座る事は出来ず、長時間の振動に耐えられない。
この日は激混みだったという事情はある。スタッフの方たちは大変だったと思う。だけどそれとは別個の問題があった。
(いつも混むような日は避けるのだけど、後から結果的にそういう日になった)


ついでなので、マリンスタジアム車椅子席の話も。

車椅子席はバックネット裏の人が行き来する通路に設けられていて、車椅子の本人が前、介助者1名は後ろで簡易パイプ椅子に座り、縦2列で観戦する。球場の音が大きく、前と後ろでは話すことは容易ではない。一緒に行った人とああでもないこうでもないと話しながら観戦するのが野球観戦の醍醐味のひとつだと思っているので残念。話せないだけでなく、困ることが多い。ボストンは左半身が動かないので、痛いところがあったり飲み物を渡したりなど何かある度にするやり取りが逐一し辛い。介助者側からすると、観戦どころではない。後ろが普通に人が行き来する通路なので、ビール売りの人などがガンっとパイプ椅子に当たることがあり(通路が狭いので仕方がない) 邪魔だと思われているだろうし、こちらも完全に邪魔になってると思うので気が滅入ってしまう。それに、介助の際に立ったり座ったりという事がでてくるので(なるべく中腰で介助しているが)、通路のすぐ後ろ前列の方の視界を遮ってはいないかと申し訳ない気持ちになる。


車椅子席があること自体ありがたいことなのだけど、希望・要望をまとめてみた。

・横並びで座りたい
・一般と同じかそれ以上の料金を払うので普通に快適に観戦したい
・バックネット裏の一区画だけでなく他の選択肢が増えるとよい
・邪魔にならないようにスペースを広くしてほしい
・欲を言うと、みんなで座れるテーブル席があると嬉しい(もうひとりの介助者は離れた席に座っている為)

ちなみに球場の多目的トイレはスペースが広くとても快適に使えた。


駐車場の件以外、楽しかった。帰りに偶然マーくんと出会い、マリンスタジアムのスタッフの人が写真を撮ってくれた。